新市街

カドュキョイから船に乗って、シルケジ駅横のエミノニュ桟橋へ。シルケジ駅のホームにあるカフェ(チャイハネ)でチャイを飲んで一息ついた。

今日は、ガラタ橋の向こうの新市街を歩いてみることにした。金角湾にかかるガラタ橋には、靴磨きのおじさんが何人か商売していた。そのうちの一人が「タバコ一本くれ」と声をかけてきた。そのおじさんにタバコを渡した瞬間手を握られ、靴を磨かせるまで離してくれない。なんとも強引な商売だ。だいたいスニーカーを磨いてどうするのだ。

ガラタ橋を渡ってカラキョイにある駅からメトロに乗る。この地下鉄はヨーロッパでも最古のクラスらしい。ただし、わずか一駅しかなく、3分程で終点に着く。

終点の駅からはタキシム広場まで路面電車がある。僕は電車には乗らずに歩いた。

このあたりは楽器屋さん街のようだ。トルコの伝統楽器と西洋の楽器をゴチャまぜで扱っている。ひょっとしてトルコの物価ならサックスなどが安いのではないかと思い、値札を確かめてみた。やはり甘かった。日本と大差はない。しかも値段はUSドルとドイツマルクで書かれている。インフレの激しいトルコ・リラはお断りということか。

イスティクラル通りはヨーロッパ風の現代的な商店街だ。マクドナルドもあった。入ってみると、メニューは見なれたものだが、ドリンクのなかにアイラン(ヨーグルトドリンク)らしきものがあった。

タキシム広場の先のハルビエ地区にあるマレーシア航空のオフィスでリコンファームを済ませ、再びブラブラ歩いた。イスティクラル通りのトラムに乗りつつ坂道を下って行き、ガラタ橋を渡って再び旧市街に戻った。

新市街の楽器店を見たからではないが、トルコの楽器を記念に買って帰りたくなった。弦楽器の「サズ」が欲しいところだが、大きいので持って帰るのが大変だ。しかも少々値がはる。しかしサズの小型版の「ジュラ」なら買えそうだ。

早速旧市街で楽器を扱っているお土産屋さんに入ってみた。値段はピンからキリまでといった感じだ。3000円程度のものもある。迷うところだ。日本に帰るときに邪魔になるような気もする。決めかねたので、一旦店を出ることにした。

今日の宿はシルケジ駅のすぐ横のホテルにした。なかなか便利な場所だ。宿が決まったところで、また散歩にでかける。


シルケジ駅


イスティクラル通り


ガラタ塔付近

うーん「ジュラ」はどうしよう。買ったところでどうせ演奏はできないのだ。そこがいちばん悩む点だ。

さんざん迷ったあげく、買わずに後悔するより買って後悔した方がマシだ、ということで、またさっきの店に行くことにした。

店のお兄さんに頼んでジュラを見せてもらった。ネックが異様に細く、ボディは巨大なイチジクを半分に割ったような形をしている。これは弾きにくい。弦は、2本1セットで3セット(計6本)並んでいる。

店のお兄さんは「ギターやったことあるなら弾けるよ」という。いやーかなり違うよ。試しにポロロンと音を出してみると、お兄さんは「うまいうまい」と言って笑った。バカにしてんのか。

とはいいつつ買ってしまった。ジュラの他にピックと予備の弦、ソフトケースがついてきた。帰り際、お兄さんは「そういえば、さっきもうちに来たよね」と言って笑っていた。

ホテルへの帰り道、晩飯を食べに食堂に寄った。食事中、店のウェイターが僕に話し掛けてきた。
「日本人?」
彼は好奇心の眼差しを僕に向ける。そして、
「空手はやるの?」
といって、かまえのポーズをした。

やらねえよ。


今日は休館日だった

朝、シルケジ駅横のホテルをチェックアウトして、スルタンアフメット地区のホテルに移動、そこで部屋をとった。全く意味はないが、イスタンブール滞在中は毎日ホテルを変えてみることにした。

今日はドルマバフチェ宮殿へ行く。新市街のタキシム広場よりさらに遠い、ボスポラス海峡に面したところにある。かなり遠いが、そこまで歩くことにした。

しかし、ドルマバフチェ宮殿は休館日だった。マヌケである。こんなところまで一体なにしに来たんだろう。明日もう一度来てもいいが、めんどうだ。いつかもう一度来ようと思う。

さて、せっかく新市街に来たので、明後日乗る予定の空港行きのバス乗り場を確かめておこうと思う。

ガイドブックの地図によると、ガラタ塔のすぐ近くのシシャネ地区が、バスの発着場となっている。その位置まで歩いて行ってみた。が、そこにあるのは廃虚の建物と路上駐車の山であった。こんなところから国際空港へ行くバスが出るとは思えない。しかしガイドブックの地図と照らし合わせてみても、場所は間違いなくここだ。

納得できないまま、とりあえず旧市街に戻った。明日また探すことにした。

夕方はエジプシャンバザールを所在なくうろついた。夕食は、トラムでラーレリまで遠征して食べた。

贅沢にもヒマを持て余した一日だった。


ドルマバフチェ宮殿の門


BACKNEXT


 

inserted by FC2 system